不動産取引を行う場合に多くの士資格者・専門家が関わります。例えば、相続が原因で農地の一部を売却する場合、農地法の手続きは行政書士が、分筆測量の手続きは土地家屋調査士が、所有権移転は司法書士が、税金の申告は税理士が行います。やらなければならない手続きが決まれば、あとは流れに沿って手続きを行うだけです。とくに相続が関わる取引は、手続き出来る状況になるまでが大変です。なぜなら、相談前の殆どの方は、「何をすればよいか?誰に相談すれば?費用はどの位かかるのか?期間はどれ位かかるのか?」など不安・悩みで頭の中がいっぱいで手続きどころではありません。さらに不動産の問題は、「法務・税務・相続・登記・融資・建築・保険・市場など」幅広い分野になるため分かりにくいし、手続きも面倒です。

専門家等に相談する場合は、資格・社名だけで決めず、必ず依頼する前にあって業務の対応方法などを確認することをおすすめします。出来れば手続きに必要な他の専門家へ一緒に行ってくれたり、状況を報告・連絡・相談できるパートナー型の専門家がいいです。ところで、意外に思われるかもしれませんが、士資格者には専門分野があり、依頼した業務を取り扱っていないということがあります。例えば、相続税の申告は税理士の仕事になりますが「税理士の数は相続税申告件数より多い。」というデータがあります。具体的には、平成26年の税理士一人当たりの相続申告件数は年間0.74件(※)であり、相続税の申告をやったことがない税理士が多いというものです。実は、不動産業も同じでことが言えます。まずは、不動産取引に関わる専門家や不動産業の種類は、どうなっているのでしょうか?

※ 平成26年の被相続人数(亡くなられた方)は、127万3,004人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は、5万6,239人で課税割合が4.4%となった。平成28年1月時点の税理士登録件数は75,577人。税理士1人当たりの相続申告件数は、0.74件。実際に税理士に依頼せず自分たちだけで申告手続きするケースもあり、税理士1人当たり相続申告件数はさらに低くなる。

[「国税庁HP/タックスアンサー」 参考]

 

目  次

1.不動産取引に関わる専門家

2.不動産業の4つの種類


 

1.不動産取引に関わる専門家

■不動産取引に関わる主な資格一覧

不動産取引は、次のような士資格者などの専門家とのネットワークがなければ迅速に対応できない。つまり、問題解決できない。

 

2.不動産業の4つの種類

不動産業といっても実はいろいろな種類がある。

  • 不動産開発・分譲業

山林や農地などを宅地に造成して戸建てやマンション等の建物を建築し分譲する業務。

 

  • 不動産流通業

宅地もしくは建物の売買・交換・賃貸の媒介(=仲介)または代理を行う業務。なお、用途地域外や農地・山林をそのまま(宅地への転用目的出ないことを条件)自ら売買・交換・賃貸したり媒介または代理を行う行為は、宅地建物取引業(=不動産業)の免許は不要である。

 

  • 不動産賃貸業

自ら所有しているアパート・マンション・ビル・事務所・店舗等を賃貸する業務。宅地建物取引業(=不動産業)の免許は不要である。

 

  • 不動産管理業

アパート・マンション・ビル等における入居者やテナントからのクレーム対応、退去時の立会、設備管理、清掃、管理人の派遣等をする業務。宅地建物取引業(=不動産業)の免許は不要である。

 

■ まとめ

お客様から「司法書士・税理士・弁護士などの先生(=士資格者)を紹介してほしい。」旨の電話を年に数回受けます。私はすぐに快諾して、要望している分野の先生に訪問日時の予約をとり、都合のよい日時に行ってもらうようにしています。後日、お客様から紹介への感謝の連絡を頂くので、その際に必ず「相談したかった事に関して解決することが出来たか?」を伺うことにしています。その中でスッキリ解決できていないお客様に共通しているのは、「先生に何を聞いたらよいかわからなかった?」という内容のものでした。「税金のことか?法律のことか?」など自身の問題整理ができていない状況で相談に行っている訳なので「何を聞いたらよいか?」という状況になるのは当然です。大切な時間を無駄にさせてしまったと反省です。

そこで気がついたことは、「お客様には、専門家に悩み・相談事を伝える通訳が必要だ。」ということです。このような相談があった場合には、お客様と一緒に相談に伺うことにしています。「何をすればよいか?」がわかれば、後は手続きを実行するだけです。いっきに問題解決するスピードが上がります。

問題とは、現状と理想(=あるべき姿)とのギャップです。

 

オフィスSANOは、相続財産(金融資産 & 不動産)の問題はもちろんのこと、不動産問題について『知っていると得すること』・『知らないと損すること』に重点をおいて情報を発信してまいります。
どうしたらよいか分からない時は、不動産問題解決ナビゲータ オフィスSANOまでお気軽にご相談ください。