高齢の両親と同居することになり、両親に負担をかけたくないとの配慮から親名義の実家を増築して住むことにした。増築費用は同居する予定の子供が負担する。この場合は、増築部分に贈与とみなされ課税される

目 次

   1.増築部分は親の所有物になり贈与税が課税される。

 2.増築時に名義を移転し共有名義にした場合は譲渡所得の課税対象になる。

 3.増築する前に建物の名義を子供に移転


 1.増築部分は親の所有物になり贈与税が課税される。

親名義の建物に子供が増築した場合、増築部分は建物所有者(親)の所有物になる。この場合、親が子供に対して対価(=増築費用)を支払わないときには、親は子供から増築費用相当額の利益を受けたものとして贈与税が課税されることになる。

  2.増築時に名義を移転し共有名義にした場合は譲渡所得の課税対象になる。

子供が支払った増築費用に相当する建物の持分を親から子供へ移転移転して共有名義とすれば贈与税は課税されない。なお、この場合、親から子供への建物の持分の移転は、親から子供に対する譲渡となり、譲渡利益が生じるときは譲渡所得の課税対象になる。注意しなければならないのは、共有とするための譲渡及び親子間の譲渡であることから、「居住用財産を譲渡した場合の特例」は適用できない。

子供が増築資金を融資で調達した場合は、建物の所有者(親)以外の者が行う工事となるため「住宅ローン控除」の対象にはならない

3.増築する前に建物の名義を子供に移転

親から子供への贈与となり贈与税の課税対象になる。ただし、親名義の建物が古い場合には贈与税額を抑えることができる。

[「国税庁HP/タックスアンサー」 参考]


■まとめ

当初は、親は孫たちと一緒に住める嬉しさ。子供は、自分の子供の通学、通勤、食べ物の好み、風習などいろいろと考え悩み、親孝行のためにと同居を決意するのではないでしょうか?。また、私が関わったほとんどのお客様は、リフォーム費用について年金生活の親に負担させまいと、何よりも実家は将来的に自分の名義になるからと当然に親名義のままリフォーム費用を負担しようと考えています。お互いそれまでの生活環境が一気に変わるわけですから同居に至るまでの過程は、いろいろとあったはずです。せっかく、気持ちの整理と金銭面の条件が整い、「同居」という新しい環境でスタートしたら「税務署から…。」は、精神面と金銭面でキツイものがあると思います。

事前情報としてわかっていたら税金相当分を確保するなど対処できます。

 

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