最近、テレビや新聞で生命保険の関連で「リビング・ニーズ」という言葉を見聞きするケースが増えてきました。今回のテーマは、「リビング・ニーズ特約」ついてまとめています。

目次

1.リビング・ニーズ特約の概要
2.給付金への課税は?
3.受けた給付金が未使用だった部分は?

1.リビング・ニーズ特約の概要

1 被保険者の余命が6か月以内と診断された場合に、主契約の死亡保険金の一部又は全部(上限3,000万円)を生前給付金として支払う。
2 生前給付金を支払ったときは、これと同額の死亡保険金が減額されたものとされる(死亡保険金の全部を生前給付金として支払った場合には、主契約は消滅する。)。
3 生前給付金の受取人は被保険者とし、配偶者等について指定代理請求を認める。
4 特約の保険料は不要である(主契約の保険料に吸収されている。)。

リビング・ニーズ特約による生前給付金は、死亡保険金の前払的な性格を有していますが、被保険者の余命が6か月以内と判断されたことを支払事由としており、死亡を支払事由とするものではないことからすれば、重度の疾病に基因して支払われる保険金に該当するものと認められます。

2.給付金への課税は?

疾病により重度障害の状態になったことなどに基因して支払われる保険金は、所得税法施行令第30条第1号《非課税とされる保険金、損害賠償金等》に掲げる「身体の傷害に基因して支払われる」保険金に該当するものと取り扱っており(所得税基本通達9-21)、その保険金は非課税所得となります

3.受けた給付金が未使用だった部分は?

生前給付金の支払を受けた後にその受取人である被保険者が死亡した場合で、その受けた給付金に未使用のものがあるとき、その未使用部分については本来の相続財産として相続税の課税対象となります。
この場合、未使用の給付金は、既に生命保険金でないので、相続税の非課税財産の規定の適用外となります。

4.給付金の使い途に規制はあるの?

使い途に特に制限はありません。最近の医療技術は、すごいスピードで発展しています。もし画期的な治療効果が現れて6ヵ月を過ぎて生きていたとしても、返金を求められることはありません。

[国税庁ホームページより]

まとめ

給付を受ける方にとって、「自分の余命が6ヶ月である。」という事がわかってしまいます。この現実が、良いのか悪いのかわかりません。ただ、医療技術の進歩により完治する可能性もあります。高額な治療費で苦労されている方もいらっしゃいます。自身の加入している保険で「自身ができる限り長く生きるため。そして、家族とできる限り時間を共有するため。」に利用できる大変前向きな制度だと思います。

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