中古マンションの売却依頼を受けた際に、必ず最初にある書類を管理会社から取り寄せます(有料)。それは、「重要事項調査報告書(※管理会社によって若干名称が異なります。)」という書類です。この書類は、中古マンションを売約並びに購入する場合に大変重要な書類です。今回は、「重要事項調査報告書」について解説します。

目次

1.重要事項調査報告書に記載されている項目とは?
2.重要事項調査報告書は、なぜ重要か?
3.「管理規約」を紛失してしまうと余計な費用がかかるとは?

1.重要事項調査報告書に記載されている項目とは?

□ 購入したいマンションの管理費・修繕積立金等の月額
□ 購入したいマンションの修繕積立金積立総額
管理組合の金融機関等からの借入
□ 購入したいマンションの管理費・修繕積立金の滞納額
建築年次・共用部分の内装・外装の修繕実施状況
管理形態、計画修繕工事履歴・予定、管理費改定予定 等
アスベスト使用調査の有無と調査内容
耐震診断の実施の有無と診断内容
長期修繕計画表

                                                                        一般社団法人 マンション管理業協会「管理に係る重要事項調査報告書作成に関するガイドライン

2.重要事項調査報告書は、なぜ重要か?

以下の情報を入手するために、必ず購入を検討している方は確認すべきです。なぜなら、事前に情報開示を受け、確認する事によってトラブルの未然防止に役立つはずです。

■ 将来行われる修繕工事に向けた資金が計画的に積み上げられているか?
■ 管理費・修繕積立金 等の滞納は、購入者に負担が生じる状況になっていないか?
■ 管理組合の借入金は、購入者に負担が生じる状況になっていないか?
■ 大規模修繕計画は、適正に計画されているか?
■ 過去の工事履歴に関し躯体に問題が生じていないか?

3.「管理規約」を紛失してしまうと余計な費用がかかるとは?

管理規約は、売買契約の際の必要書類となります。新築時には重要書類ということで大切に保管していますが、年数が経過し途中で「管理規約の改定」があった場合にゴチャゴチャになって紛失してしまったりする方がいらっしゃいます。管理規約を紛失してしまった場合、管理会社に依頼すれば入手できます。残念ながら、無料ではなく「依頼手数料」がかかります。管理会社によって依頼手数料額は異なりますが、概ね4,500円(税込)前後を売主は負担しなければなりません。(※仲介業者が調査の一環で負担する場合もありますが…。)大切に保管していただっことをお勧めします。

まとめ

新築・中古を問わずマンションを購入する場合は、よく「管理を買いなさい。」と言われます。調査報告書に記載されている項目は、管理会社の管理状況の良し悪しが数値化される内容でもあります。内容が悪ければ当然に管理会社は変えられてしまいます。管理会社は、常にマンションの資産価値を維持向上に取り組まなければなりません。管理会社の通信簿的な要素もあるわけです。

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