マイホームを購入する際に、殆どの方が住宅ローンを利用しています。その際に住宅ローンの借入れ時に金融機関から加入させられるのが団体信用生命保険です。今回は、「団体信用生命保険」についてのお話です。

先日お客様から、こんな質問を頂きました。それは、「相続で住宅ローンの残債がある場合は、債務控除(相続財産からマイナスすること)の対象になるか?」というものでした。

目次

1.団体信用生命保険とは?
2.住宅ローンは、債務控除の対象になるか?
3.通常の生命保険でローン残債と同額を死亡保険金として契約していた場合は?

1.団体信用生命保険とは?

団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が返済中に亡くなってしまったり、高度障害状態になってしまったりしたときに、保険会社から金融機関へ住宅ローンの残額分が支払われ弁済される保障制度です。つまり、ローンの残額を肩代わりしてもらえる住宅ローン専用の保険のことです。

2.住宅ローンは、債務控除の対象になるか?

団体信用生命保険とは 住宅ローンなどの債務者を被保険者とし、その債権者である金融機関などを保険契約者および保険金受取人とする団体保険です。たとえ被保険者(住宅ローン債務者)の死亡により支払われるものであっても、「住宅ローンの残債は、団信の保険金により確実に補填され相続人が支払うべきものではないため『確実な債務』にはあたらない。」として、債務控除は受けられないという取扱いになっています。つまり、相続税の課税対象とはならないということになります

○ 相続財産の価額から差し引くことができる債務

相続財産の価額から差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものです(借入金や未払金などのほか、被相続人が納めなければならなかった税金で、まだ納めていなかったものも含まれます。)。なお、団体信用生命保険契約に基づき返済が免除される住宅ローンは、被相続人の死亡により支払われる保険金によって補てんされることが確実であって、相続人が支払う必要のない債務ですので、相続税の課税価格の計算上、債務として差し引くことはできません。

国税庁ホームページより抜粋]

3.通常の生命保険でローン残債と同額を死亡保険金として契約していた場合は?

通常の生命保険は、死亡保険金がみなし相続財産となるため、「生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)」を使うことができます。この場合は、団体信用生命保険とと比較するとその分相続財産が減る可能性があります。


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