土地を分筆すれば「土地の評価が下がる。」という事は、既にご承知かと思います。ただし、分筆の仕方次第では、評価を下げることが出来ません。今回も予備知識として参考にして頂ければ幸いです。

目次

1.宅地の分割により評価を下げる方法とは?
2.「不合理分割」とは?
3.「不合理分割」が駄目な理由は?
4.「分筆後の土地が著しく不合理である。」と認められるケースとは?

1.宅地の分割により評価を下げる方法とは?

相続・遺贈・贈与により取得した宅地は、原則として分割取得後のその取得した者及び利用区分毎にその宅地を評価するので、遺産分割の工夫により利用区分の変更同様に宅地の評価を引下げることが可能です。

2.「不合理分割」とは?

「不合理分割」とは、土地を分割したときに分割後の土地が宅地として普通に使えないほど、その分割が著しく不合理であると認められるような分割を「不合理分割」といいます。課税評価の際には、所有者単位で評価するのではなくその分割前の土地を「1画地の宅地」として評価されます。

3.「不合理分割」が駄目な理由は?

遺産分割により設例のように現実の利用状況を無視した不合理な分割が行われた場合において、仮に甲、乙それぞれが取得した部分ごとに宅地の評価を行うこととすると、無道路地としての補正や奥行が短小であることによる補正を行うことになるなど、実態に則した評価がなされないことになります。
そのため、著しく不合理な分割が行われた場合は、実態に則した評価が行えるよう、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価することとしています。「その分割が著しく不合理であると認められる場合」とは、無道路地、帯状地又は著しく狭あいな画地を創出するなど分割後の画地では現在及び将来においても有効な土地利用が図られないと認められる分割をした場合が考えられます。
なお、この取扱いは同族会社間等でこのような不合理分割が行われた場合にも適用されます。

4.「分筆後の土地が著しく不合理である。」と認められるケースとは?

次の図は、すべて「不合理分割」として取り扱われます。

[不合理分割として取り扱われる理由]

(1)のケース:A区画が、有効に土地を利用することが著しく困難となる現実の利用状況を無視した分割である。
(2)のケース:B区画が、道路に面していない。いわゆる「無道路地」となる分割である。
(3)のケース:B区画が、無道路地及び不整形地となる分割である。
(4)のケース:A区画並びにB区画ともに不整形地となる分割である。
(5)のケース:A区画が、奥行が短く狭小地とB区画が無道路地となる分割である。
(6)のケース:B区画が接道義務を満たさないような間口が狭小な土地を創出する分割である。

無道路地とは、道路に接していない宅地(接道義務を満たしていない宅地も含まれます。)をいいます。
※ 原則としてA、B宅地全体を1画地の宅地として評価した価額に、各土地の価額の比を乗じた価額により評価します。

[「国税庁HP/タックスアンサー」 参考]

 

まとめ

分割後の土地が不整形地になってしまう場合でも、その地域における標準的な宅地面積を満たしている場合や、不整形地となるような分割をしたことに合理的な理由がある場合には、不合理分割とは判定されません。

 

本情報は、法律・税務・金融などの一般的な説明です。個別の具体的な判断や対策などは専門家(弁護士・税理士など)にご相談ください。

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