不動産売買の場合、売買契約を締結後から決済・物件引渡しまでに約1~3ヶ月程度要するケースが殆どです。その間に契約当事者が亡くなってしまった場合、その契約はどうなるのでしょうか?


1.残金決済前に売主が亡くなった場合
残代金の支払請求権・物件引渡義務・登記の移転義務があるので相続人が承継することになる。

2.残金決済前に買主が亡くなった場合
 売主同様に支払義務・物件引渡請求権・移転登記の請求権があるので相続人が承継することになる。ゆえに、相続人に売買契約を引き継ぐ意思がなければ、手付金放棄による契約解除となる。

3.融資承認済みの状態で残金決済前に買主が亡くなった場合
融資の内諾を得ている場合には、ローン条項による解約はできない可能性が高い。しかし、融資の内諾が得られているといっても、それは死亡した買主との間であって、相続人との間のものではないので、通常の金融機関の扱いとしては、融資の申込自体がなかったものとして取り扱われる。したがって、もし相続人が売買契約を引き継ぐのであれば改めて相続人が融資の申込をしなければならない。売主と金融機関の調整・協議も複雑になるので、とりあえずは一旦白紙解約になるケースが多い。

私も今から20年前に一度だけ土地売買契約締結後、買主が死亡した経験があります。1週間後に土地決済、その3日後に結婚式を挙げる予定のお客様でした。売主の仲介業者と買主の両親と協議して白紙解除としました。ハウスメーカーの紹介のお客様でしたが、ハウスメーカーとの建物請負契約も白紙解除となりました。

 

 

 

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