相続税がかからない財産、「非課税財産」として「お墓・仏壇」があります。生前に手元現金等で墓地・仏壇等を購入して相続税対象となる現金を非課税財産に変化させることが出来ます。しかし、相続開始時に購入代金が未払いや借入金がある場合には要注意です。どういうことでしょうか?

目次

1.相続税の「非課税財産」とは?
2.墓地・仏壇等の生前に購入する場合の注意点
3.「債務控除」とは?
4.遺産総額から差し引くことができる債務

1.相続税の「非課税財産」とは?

1 墓地、仏壇、祭具など
2 国や地方公共団体、特定の公益法人に寄附した財産
3 生命保険金のうち「500万円×法定相続人の数」の金額
4 死亡退職金のうち「500万円×法定相続人の数」の金額

2.墓地・仏壇等の生前に購入する場合の注意点

1 生前取得のもののみ、非課税財産になります。
2 被相続人が生前に購入した墓地の未払代金・借入金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません。つまり、債務控除の対象外となってしまいます。
3 美術品と認定されるような黄金の仏壇・貸金庫に入っている高価な仏像等は、非課税財産に該当しないとみなされます。
4 骨董品又は投資の対象として所有するものは、祭具等に含まれません。

3.「債務控除」とは?遺産総額から差し引くことができる

「債務控除」とは、相続税を計算する際に、プラスの財産からマイナスの財産を控除することができます。これを「債務控除」といいます。被相続人が残した借入金などの債務を遺産総額(相続時精算課税の適用を受ける贈与財産がある場合には、その価額を加算します。)から差し引くことができます。

4.遺産総額から差し引くことができる債務

(1) 債務
差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものです。
なお、被相続人に課される税金で被相続人の死亡後相続人などが納付又は徴収されることになった所得税などの税金については被相続人が死亡したときに確定していないもの(相続時精算課税適用者の死亡によりその相続人が承継した相続税の納税に係る義務を除きます。)であっても、債務として遺産総額から差し引くことができます。
ただし、相続人などの責任に基づいて納付したり、徴収されることになった延滞税や加算税などは遺産総額から差し引くことはできません。
(2) 葬式費用
葬式費用は債務ではありませんが、相続税を計算するときは遺産総額から差し引くことができます。

[「国税庁HP/タックスアンサー」 参考]

まとめ

「墓地は購入していても、墓碑はこれから・・・。」という方が意外に多い感があります。相続人である家族に迷惑がかからないように事前に準備をしていても、些細なことで相続手続きにトラブルになることがあります。注意が必要です。

本情報は、法律・税務・金融などの一般的な説明です。個別の具体的な判断や対策などは専門家(弁護士・税理士など)にご相談ください。

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